信濃国一之宮諏訪大社の式年造営御柱大祭は寅と申の年に行われ、その豪壮・雄大さから天下の奇祭といわれている。四月下旬、上社御柱山出し祭は残雪の八ヶ岳山麓、綱置場から始まり、本宮・前宮各四本の御柱を、独特の木遣り歌に併せて曳き出す、延々十七キロの一之宮御柱道の途中には大曲りの難所や豪壮な木落しがあり、梃子や元綱衆の見せ所である。御柱は山から里へと下り宮川に至る。ここは上社御柱の川越しの場所で、山出し最大の難所である。川越しは別名御柱洗いともいわれ、宮川の水で御柱を清めるものであるという。川を渡って曳綱が張られ、鈴なりに乗った氏子達が御柱とともに雪解け水の清流に飛び込む様は実に壮観である。以前は本宮一之御柱が中河原宿中にさしかかると、後に続く御柱は先を競って川越しを行った。川越し後は安国寺の御柱屋敷に曳きつけ、三日間の豪壮、勇壮な山出しが終わる。
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